RACE REPORT レースレポート

第22回 TOUR de 熊野 2022 第3ステージ 太地半島周回コース

2022.05.29

 

第22回 TOUR de 熊野 2022 第3ステージ 太地半島周回コース

会場 太地半島特設サーキット
距離 104.3km パレード0.7km+(9.8km+10.5km×9laps)
出走 77
出走メンバー バトムンク マラルエルデンエンクタイヴァン ボローエルデン鈴木 史竜海野 晋作
YouTube https://youtu.be/9XQ_whp6ETs

 

レースレポート

 

最終日を迎えた「TOUR de 熊野」、太地半島を周回する10.5kmのアップダウンコースを舞台に3日間最後の熱戦が繰り広げられた。

 

昨日の第2ステージで、チームとして目標としていた、個人総合の上位リザルトの可能性が厳しい状況となってしまったため、今日はマラル選手のステージリザルトを目標にレースに臨んだ。

 

太地半島は、アップダウンと平坦基調のパートが混在しており、体力的にも技術的にも難易度が高いコースである。総合タイムに影響の少ない選手の逃げが前半から決まる場合もあるが、ハードなコースレイアウトから、各選手の体力が削られる後半勝負になると予想していた。

 

また、総合上位勢は、15秒差の中に9名の選手がいる状態で、スプリントポイントのボーナスタイム(1位3秒、2位2秒、3位1秒)と、ゴール時の僅かなタイム差が重要になるため、上位チームの動きも意識しなければいけない。

 

700mのパレード区間を経てレースがスタートすると、マラル選手がファーストアタックを試みる。これに、宇都宮ブリッツェンの阿部選手、マトリックスパワータグの安原選手が反応し、3人のエスケープが決まる。総合上位選手が入っていないため、メイン集団との差が開けば後半に繋がる動きだったが、3名という数と、2周目終了時に設定されたスプリントポイントに向けて総合上位勢が動いたことで、約15kmほどで逃げは吸収された。

 

2周目の後半、スプリントポイントのボーナスタイムを狙いたいチーム(チームブリヂストンサイクリングやキナンレーシングチーム)がスピードを上げ集団は縦に伸びる。1回目のスプリントポイントは、松田選手(チームブリヂストンサイクリング)がトップ通過しボーナスタイム3秒を獲得、総合順位争いは接戦で上位チームは気を抜く事が出来ない。

 

総合争いから脱落してしまった選手(チーム)にとっては、上位陣の争いの隙をついてステージリザルトを狙いたい。レバンテフジ静岡もファーストアタックは決まらなかったが、後半の勝負所でマラル選手を中心に動きたいところ。しかし、序盤のスプリントポイントに向けたペースアップで、集団後方は選手が次々に遅れてゆき、このタイミングで、昨日の疲労が大きいエボ選手と、海野選手も遅れてしまう。

 

スプリントポイント後も、メイン集団内では、エスケープを図りたい選手やチームによるアタックが繰り返えされる。マラル選手は次の動きに備え、集団内でレースの展開を慎重に伺っていたが、突如、機材トラブルが発生。フロント変速機の故障により、ギアが変わらず敢え無くリタイアとなってしまった。

 

4周目に入ると10名の逃げグループが形成される。この中には、45秒差で総合10位につける横山選手(シマノレーシング)以外に上位勢を脅かす選手は入っておらず、直ぐに差が開いた。今日のレースは、結果的にこの10人に勝負が絞られる。

 

この時、唯一集団内に残っていた鈴木選手も登り区間で遅れてしまい、6周をもってリタイア、チームとして今季初の国際レースは、リザルトに名を残すことなく終了してしまった。

 

レースは、最終周回のメイン集団の猛追から逃げ切った7人(シマノレーシング横山選手、同じくシマノレーシング中井選手、マトリクスパワータグのマンセボ選手、ヴィクトワール広島ライアン選手、EFエデュケーション門田選手、エカーズ山田選手、弱虫ペダル入部選手)のゴールスプリントとなり、ヴィクトワール広島の新加入、ライアン・カバナ選手が最終日を制した。

 

今回、チームとしてはUCIポイントの獲得(総合20位、ステージ3位)を目指し、3日間の過酷なレースに臨んだが、最終日は散々たる結果となってしまった。

 

エースとして臨んだマラル、エボの両名は、日本に来てまだ本調子では無いが、6月の全日本選手権(モンゴル選手権)、そして7月以降の過密なレーススケジュールに向け、他選手も含め、今一度トレーニングを見直し仕切り直しを図りたい。

 

中盤~後半戦での巻き返しを念頭に、引き続き精進して参りますので、今後も応援よろしくお願いいたします!

 

Photo by 三井 至