RACE REPORT レースレポート

第89回全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース

2021.10.24


第89回全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース

会場広島中央森林公園
距離MU 123km(12.3×10周回) / ME 184.5km(12.3km×15周回)
出走MU 133名 / ME 113名
出走メンバーMU 海野、高梨 / ME 佐野、鈴木 龍、野宮、西村、石井、鈴木 史竜


広島県の広島中央森林公園にて、第 89 回全日本自転車競技選手権大会ロード・レースが開催されました。
レバンテフジ静岡からは、10/23(土)のMU(U23クラス)に、海野 晋作、高梨 万里王の2名が、10/24(日)に開催されたME(エリートクラス)に、佐野 淳哉、鈴木 龍、野宮 一朗、西村 基、石井 駿平、鈴木 史竜の6名が出場しました。
MUは、レースペースが安定せず激しいインターバルとなり、出走した2名ともに完走はなりませんでした。MEは、レース最終盤にサバイバルな展開となり、チーム最上位は佐野の42位という結果でした。

レースレポート

2年ぶりの開催となる、全日本選手権。日本一の称号を手にするため、全国から選手が一堂に介している。会場は、普段のレースとは違った緊張感が漂っている。
10月も終盤となり、秋草や、わずかに紅葉も見られる広島中央森林公園。日が差せば暖かさも感じられるが、通り抜ける風は肌寒く、アップの段階ではアームウォーマーやレッグウォーマーを着用する選手が多く見られた。
普段の国内レースシリーズでよく使用されており、選手たちも慣れ親しんでいる会場。周回の終盤に、三段坂と呼ばれる2km程度の上りを含んでいる。全体的に起伏を多く含んだ12.3kmのコースを、MUは10周回し123km、MEは15周回して約185kmを走行することとなる、ハードなレースだ。

< MU >

レース序盤、強豪選手によるアタックの応酬でペースが落ち着かない。抜け出す選手はいるものの、決定的な逃げには繋がらない状況が続く。
アタックによりペースが上がったと思えば、次の周回にはスローペースに転じる。リズムの掴みづらい状況が続き、迎えた5周目。コース終盤の三段坂でペースが一気に上がり、集団は数を減らしてゆく。このタイミングで、海野、高梨がメイン集団から若干遅れ始めた。
メイン集団復帰を目前に、海野が痛恨の落車。機材交換もあり大きく遅れ、6周回でリタイアとなってしまった。高梨も徐々にトップとの差が開き、終盤の残り2周でタイムアウト。U23全日本選手権初挑戦の2名は、共に完走はならなかった。

レースはその後、最終周回にメイン集団から抜け出したTEAM BRIDGESTONE Cyclingの兒島選手が優勝。その後の3人のゴールスプリントで先着した同じくTEAM BRIDGESTONE Cyclingの山本選手が1.2フィニッシュを飾った。
レバンテフジ静岡の若手選手も、来季のリベンジに向け、今からトレーニングを積み上げてゆきたい。

< ME >

レーススタートから各チームが抜け出しを図りつつも、数周回は集団のまま進行。序盤は、アタックした選手を佐野や石井がチェックするなど、チームは積極的な動きを見せていた。
4周回目にシマノレーシング風間選手が抜け出し先行、これを集団が容認した。集団は常に、選手の人数を揃えている愛三工業レーシングチームがコントロールし続ける。展開が落ち着いてスローペースの展開が続く中、チームは次の展開を伺っていた。
レースが動いたのは、終盤となった10周回目以降。風間選手がメイン集団にキャッチされると、KINAN CYCLING TEAMがペースアップを図る。集団が活性化され、レースは着実に人数を減らしてゆく。チームからはキャプテンの佐野が集団に残ったものの、他メンバーたちはこの展開に付ききることができず、脱落。佐野は、繰り返されるアタック合戦にひとりでチェックとチャレンジを繰り返すなど、単騎で苦しい展開を凌ぎ続ける。
残り3周回、ディフェンディングチャンピオンを狙う弱虫ペダルサイクリングチームの入部選手がアタックしたことをきっかけに、先頭集団は18名ほどに絞られた。佐野は孤軍奮闘も虚しく、この決定的なグループに残ることは叶わなかった。

10名ほどの集団スプリントとなったゴール勝負、日本一の栄冠を勝ち取ったのは、常に集団をコントロールし続けた愛三工業レーシングチームの草場選手だった。佐野は、後続の小集団でゴール、42位という結果となった。

勝負所で耐えきれるパワーを残せるように集団での位置取りを行っていたが、ペースアップなどレースを決める展開への対応力は、引き続き課題。選手の枚数を残すことで、レース結果が大きく変わってくることになるため、個人個人のレベルアップは必須事項だ。また、最終局面で粘り強く残り続けるためのメンタル強化も、より必要になってくる。それぞれの課題を改めて洗い出し、シーズンを少しでも良い形で終えられるよう、各メンバーともに取り組んでもらいたい。

全日本選手権を終え、ジャパンサイクルリーグも残すところあと3レース。
今回もSNS等で応援のお言葉を多数頂戴しました。ありがとうございます!
引き続きのご声援、どうぞ宜しくお願い致します!
Photo by 三井 至