RACE REPORT レースレポート

2021JCL 秋吉台カルストロードレース

2021.09.12



 

2021JCL 秋吉台カルストロードレース

会場Mine 秋吉台ジオパークセンターKarster前
距離118km(29.5km×4周回)
出走59名
出走メンバー佐野、野宮、西村、石井、海野、高梨

ジャパンサイクルリーグ、第7戦は山口県美祢市にて、秋吉台カルストロードレースが開催されました。
レバンテフジ静岡は、佐野、野宮、西村、石井、海野、高梨が出走。『カルストベルク』と呼ばれる激坂を含む壮大なコースで繰り広げられた本大会、レバンテフジ静岡は、西村が最上位で19位という結果でした。

レースレポート

山口県美祢市東部にある、日本最大規模の鍾乳洞の秋芳洞。特別天然記念物にも指定されているこの秋芳洞や、広大なカルスト台地のあるMine秋吉台ジオパークにて、秋吉台カルストロードレースが開催された。
 
秋吉台カルストロードレースは、『カルストベルク』と呼ばれる最大斜度20%以上、1km強のきつい上りを含んでいる。1周29.5kmの終盤に待ち構えるこの激坂がポイントとなり、早々に集団が絞られる可能性はある。しかし、長い下りパートや細かなアップダウン区間が続き、決定的な逃げは決まりにくいと予想していた。
チームは、登りを得意とする西村と海野を最終局面に残すため、各チームの主要選手の動きを見ながら、タイミングを逃さないように対応する。
 
雲は広がっているものの、薄曇りのため暑さが懸念された。レースは予定通り、10:00にスタート。3km程のパレード走行を終えてリアルスタートを迎えると、数チームがアタックするも、なかなか決定的な逃げに繋がらない。
1周目中盤のアップダウン区間で均衡を破ったのは、KINAN CYCLING TEAMだった。ルバ選手がアタックしたことにより、集団は散り散りに。その後、独走力のあるヴィクトワール広島の阿曽選手が単独のエスケープを開始、メイン集団に一分程の差をつけ先行する。集団は佐野らが牽引し、1周目のカルストベルクに差し掛かったところで阿曽選手が吸収される。KINAN CYCLING TEAMの山本元喜選手、那須ブラーゼンの渡邉選手がこの激坂を先行する形で、2周回目へ。
平均勾配10%を超えるカルストベルクは、プロ選手であっても一筋縄ではいかない。急勾配をこなせるほどの登坂力を備えていないと、レースに残ることすらままならい。この時点で、集団は既に20名ほどになってしまった。
2周回目に入ると、レース前のコメントでもこのレースは得意だと話していたKINAN CYCLING TEAMが、幾度もアタックを繰り返して集団を揺さぶり始める。この動きをきっかけに、KINAN CYCLING TEAMの山本元喜選手、宇都宮ブリッツェン阿部選手、チーム右京相模原の宇賀選手、那須ブラーゼンの渡邊選手が集団から抜け出し、それをスパークルおおいたの孫崎選手が追走し、ジョイン。独走力のある選手たちによる強力な先頭集団が形成された。
先頭集団にメンバーを入れることができなかったレバンテフジ静岡は、野宮がメイン集団のローテーションに加わり、VC福岡、ヴィクトワール広島と共に、逃げる5選手を追う。
2回目のカルストベルク、後半の展開に備えていた海野が機材トラブルに見舞われ、チームカーのサポートでスペアバイクへの交換を余儀なくされてしまった。一時は集団から遅れるも、高梨の全力アシストで集団復帰を果たす。
3周回目も、逃げの5選手と20名ほどの広報集団という構図は変わらず、登りに入るたびに人数を減らしてゆくメイン集団。石井と、野宮も脚の痙攣により周回途中でリタイアとなった。3回目のカルストベルクでは、先頭集団も散り散りの状態。那須ブラーゼン渡邊選手、チーム右京相模原 宇賀選手がドロップし、先頭は3名に。先程の海野のアシストで体力を消耗した高梨も、ラスト1周を残しリタイア。海野も機材交換からの集団復帰が響き、カルストベルクでメイン集団から遅れをとってしまった。
ラストとなる4周回目、逃げていた先頭3名を集団が吸収すると逃げのメンバーが入れ替わり、KINAN CYCLING TEAMのルバ選手と山本元喜選手、チーム右京相模原の小石選手の3名が先行するかたちになる。ゴールまで残り約20km、人数を減らしスピードアップしたメイン集団から、唯一レースに残った西村がドロップしてしまう。その後西村はペースを取り戻し、完走は果たしたものの、カルストベルクでのゴール争いに加わることは出来なかった。
 
ゴールまで約10km、先行していた3名を吸収したトップ集団は、最後の勝負どころカルストベルクへ。残り500mほどで、那須ブラーゼン谷選手、スパークルおおいた宮崎選手、KINAN CYCLING TEAMの山本大喜選手によるデッドヒートになり、力強い登坂力を見せた山本大喜選手が優勝した。
 
チームは、選手個々のトレーニングを見直し、各選手も少しずつ調子を上げてきている。また、レース内でも選手同士の連携ができるようになってきており、チーム内の雰囲気も上々である。しかし、上位チームとの差はまだまだ大きく、レース展開を読む力や、チームとして展開を作る動きは、依然、実践できていない状態だ。シーズンもあと2か月、力を発揮できる場面を増やしていけるよう、今回のレースでの経験と感覚を、今後のトレーニングに活かしてゆきたい。
 

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Photo by 三井 至