RACE REPORT レースレポート

2021JCL カンセキ真岡芳賀ロードレース

2021.03.27

2021カンセキ真岡芳賀ロードレース

会場真岡市井頭公園周辺特設コース
距離152km(7.6km×20LAP)
出走53名
出走メンバー鈴木龍、野宮、西村、海野、高梨

レースレポート

ついに、地域密着型プロサイクリングチームで構成されるジャパンサイクルリーグ(通称:JCL)の「三菱地所JCLロードレースツアー2021」が、「カンセキ真岡・芳賀ロードレース大会」から開幕した。

 

初戦は、4月を思わせる暖かい気候と時より冷たい風が吹く中、真岡市と芳賀町にまたがる152km(7.6km×20周回)の田園地帯を舞台に開催された。コースレイアウトは緩やかな登りと下りが点在するが、ほぼフラットなコースで、コース周辺に遮蔽物が無く、時より吹く風の方向が読みづらく、ポジション取りが難しいコースとなる。

 

レバンテフジ静岡は、この初戦に照準を合わせ、選手の仕上がりは上々であったが、レース3日前のチーム練習中に複数台がからむ落車がありチームキャプテンである佐野淳哉選手が複数個所の骨折を負うなど、この事故により2名がレース参加を断念。元々ヒザの負傷により調整中であった石井選手も欠場となり、好調を維持する鈴木龍選手、西村選手、海野選手とケガを押して出場する野宮選手、高梨選手の5名での苦しい状況での門出となった。

 

初戦の優勝争いは、オリンピック代表の増田成幸選手を要し総合力の高い宇都宮ブリッツェンや、実力のある選手を抱えるキナンサイクリングチーム、チーム右京相模原が有力視される中、レバンテフジ静岡もレース展開を逃すことない積極的な動きをすることを目標にレースに臨んだ。

 

レースは11:15に53人の選手がスタート。1周目の約半分を過ぎ、田園地帯の直線に入ったところでパレードラン区間を終えてアクチュアルスタートを迎える。スタート直後から、レースの主導権を握ろうと各チームがアタック(逃げ集団を形成してレースの主導権を握るための揺さぶり)を行うが、各チームのマークも厳しく本格的な逃げ逃集団は形成されない。

 

その後、チーム右京相模原の逃げにヴィクトワール広島とVC福岡の選手が追いつき、3選手での逃げが成立し、一旦レースは落ち着く。各チームは152kmという長丁場から、追走せずに、この先の展開に備える姿勢を見せる。

 

レバンテフジ静岡は、ここまでの序盤のうちに、今期から加入した高梨選手がケガの影響により3周でリタイア。

 

逃げが落ち着き、2分台の差に広がったところで、スパークル大分や宇都宮ブリッツェンなどのチームが集団を引き、レースをコントロール。この間に各チームは今後の展開に備える。レバンテフジ静岡は、鈴木龍選手、西村選手、海野選手の3名が比較的近いポジションを確保しながら連携を図るが、高梨選手同様、ケガを押して参戦していた野宮選手が10周でリタイア。

 

このあたりからレースが動き始める。逃げと集団の差が最大で2分45秒近くまで広がったところで、集団が逃げを追い始め、残り7周のあたりで逃げていた3名を吸収。本格的な勝負に向けてアタックが頻発し、集団内の選手の動きが活性化する。其々のチームには、ゴールに向けた思惑がある。

 

キナンレーシングチームが積極的にレースの主導権を握りに掛かるが、そこに各チームが反応するという展開を繰り返し、その中からタイミングよく飛び出した、宇都宮ブリッツェン増田選手、西村選手、チーム右京相模原小石選手、石原選手、キナンレーシングチームトマ・ルバ選手とレバンテフジ静岡から鈴木龍選手の6名の逃げが成立した。

 

この6名は、メンバー的にもかなり強力な逃げ集団であり、ハイペースでレースが進む。ここに選手を送り込んでいないチームとしては容認できる状況ではないため、後続のプロトンからも追いかける動きを見せるが、前6人のローテーションは足並みも揃っており差は縮まらない。

 

終盤に向け、この6名が駆け引きを進め若干ペースが膠着し、各選手がゴールスプリントに向け意識し始めた中、最終回に入ったところで宇都宮ブリッツェンの増田選手が単独アタックをかける。鈴木龍選手をはじめ追撃に入るが、タイミングよくアタックした増田選手は一気に距離を離し追いつくことができない。増田選手の逃げ切りが濃厚になると、ゴールに向けた5名の駆け引きが始まった。

 

結果、最終回でスパートをかけ、単独で逃げ切った宇都宮ブリッツェン増田選手が優勝。最後まで表彰台を狙っていた鈴木龍選手が4位と健闘するが、2位宇都宮ブリッツェン西村選手、3位キナンサイクリングチームトマ・ルバ選手にわずかに届かず。

 

レバンテフジ静岡としては、活性化したプロトンの中で他チームの動きに終始対応していた海野選手が22位、鈴木龍選手の番手として備えていた西村選手は中盤で追走に反応するも足の痙攣により36位、数的不利ではあったが夫々が役目を果たし健闘した。チーム初勝利も見えていただけに悔しい結果ではあるが、次レース以降のリベンジを目指したい。

 

レースが終わり、昨期に比べ選手のパフォーマンスが上がっており、力強い新戦力が加入したことにより、勝利に手が届きそうな位置まで近づけたことで、チームの今年の目標を「優勝」に置くことを再確認したJCL初戦であった。

 

結果

4位 鈴木龍選手

22位 海野晋作選手

36位 西村基選手

DNF 野宮一朗選手

DNF 高梨万里王選手

 

2021シーズンチームランキング3位(9チーム中)

Photo by Itaru Mitsui

 

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