RACE REPORT レースレポート

2024 富士クリテリウムチャンピオンシップ

2024.03.02

photo : 三井 至

 

Jatco presents
富士山サイクルロードレース2024 富士クリテリウムチャンピオンシップ

今大会は、国内UCIコンチネンタルチーム、全日本実業団競技連盟を主戦場とするクラブチーム、日本学生自転車競技連盟の選手が集い、土曜日の予選と、日曜日の決勝で頂点を決める「クリテリム頂上決戦」である。チームとしてシーズン初戦ではあるが、年に1度地元で開催されるレースとして、高いモチベーションと感謝をもってレースを迎えた。

 

【開催日】

2024年3月2日(土) 予選

2024年3月3日(日) 決勝

 

【開催地】

予選:静岡県航空協会富士川滑空場

決勝:静岡県富士市道臨港富士線(通称:青葉通り)

 

【距離】

予選 42km(1.4km×30周)

決勝 54km(1.8km×30周)

 

【出場選手】

高梨 万里王

夏目 天斗

床井亮太

風間大和

エンクタイヴァン ボロー-エルデン(エボ)

サウルエヴァー

 

【出走人数】

予選 150人

決勝 76人

 

【動画】

YouTubeLive

https://www.youtube.com/watch?v=ojk_pjJTv7g

 

 

1日目(3月2日 土曜日)

【予選】

1日目の予選は、富士川滑空場での開催。フラットなコースだがどこからでも選手間の距離が見えやすく、レースの展開を読みながら立ち回ることが重要になるコースだ。

予選は全出場者を3組に分けて開催され、各組の上位25人が翌日の決勝へと駒を進める方式。

レバンテフジ静岡は1組目の出走で、9チーム中5チームがUCIコンチネンタルチームである。

 

予選では、各チーム出来るだけ多くの選手を決勝に進ませるため、特殊なレース展開になりやすい。

チームは過去の富士クリテリウム予選の傾向から、各有力チームを含む数名~10名程度の逃げが決まる展開も警戒する事を確認してスタートした。

序盤、アタックが繰り返される中、レバンテを含まない数名の逃げが形成されかけたタイミングで、エボのアシストを受けて床井がブリッジ。さらに最終便で高梨が飛び乗り、床井・高梨を含んだ11名の決定的な逃げが形成された。

この逃げは順調にリードを築き、最後は床井がスプリントで2位、高梨も9位で決勝進出を確定させる。

後方では、ラスト5周でエヴァーが単独で抜け出しを決める。力を見せ逃げ切り、15位で決勝進出。後方集団ではスプリントによる争いになったものの、夏目26位、エボ32位、風間38位で惜しくも交流戦にまわることとなった。

 

2日目(3月3日 日曜日)

決戦の舞台を富士市内の中心地、通称青葉通りに移して迎えた2日目。

コースは1周1.8km、橋梁の緩いアップダウンはあるが、ほぼフラットなレイアウト。片側3車線の道幅もありクリテリウムとしては比較的走りやすいコースレイアウトであるものの、残り200mは緩やかに登っていることから最終局面を難しくする要素も併せ持つ。

 

【交流戦】

前日の予選を受け、各組26位~45位を獲得した選手による交流戦が行われた。

チームからは夏目、エボ、風間の3名が出場。地元チームとして、積極的にレースをつくっていき逃げ切りを狙う一方、スプリントになった際はスプリント力がある夏目に託す作戦で挑む。

 

序盤から、エボ、風間を中心にアタックを仕掛け逃げを作る動きで集団を揺さぶる。しかし、数名の飛び出しは決まるものの、決定的な差を作る逃げは生まれず最後は集団スプリントに。エボと風間の働きにより力を温存していた夏目が役目をしっかりと果たし、1位でフィニッシュに飛び込んだ。

エボと風間は積極的にレースを動かし、夏目も最後の役目を果たした。地元レースを1位でゴールすることは重要であり、夏目、エボ、風間の3名の走りは決勝の直前にチームにいい流れを引き寄せるものとなった。

 

【決勝】

前日に続き晴天となったものの、決勝の時間にはテントが飛ばされるほどの強風となった。

決勝に残った床井、高梨、エヴァーは純粋なスプリンターではない。6人全員決勝に残っているチームもいる中で、勝つためには少数での抜け出しが必要となる。3名で状況を見ながら必ず先行グループに乗って勝負に加わる事を確認してスタートした。

1周目にはエヴァーの積極的な攻撃を皮切りに、各チーム序盤から激しくアタック合戦が繰り広げられた。その中で、レバンテの選手を含まない7名の抜け出しが決まる。

しかし、逃げグループの人数的にもまだ乗りたいチームや選手は多いと思われた。レバンテの選手は意思疎通をしつつ冷静に次の展開を見定め、床井が追走集団に加わった。この追走集団は勢いがあり、先頭グループに追いつくことに成功。これにより床井を含む16名の先頭グループが形成される。

強調しながら距離を消化し、メイン集団に対して1分程度の大きなタイムギャップを築く。しかし、強豪スプリンターを抱え、逃げに選手を送り込んでいないチームブリヂストンサイクリングが集団を牽引し始めると、タイム差は縮小傾向に反転。メイン集団のペースが上がったことで、ペースアップを余儀なくされた先頭集団でも徐々に協調が乱れる。

 

こうした動きの中で逃げグループも人数が一気に減り、床井はメイン集団に戻り、その後程なくして集団から逃げていた選手がすべて吸収された。床井は逃げ集団で体力を消耗しており、残りの勝負は高梨とエヴァーに託される形に。スプリントに向けて集団がペースを上げていく中で、残り1周に入るタイミングで高梨が渾身のアタックを仕掛ける。

集団から飛び出した高梨は、一気に集団を引き離し、地元の声援を一身に受けて逃げるが、残り約800mでスプリントに向けてスピードを上げるメイン集団に飲み込まれてしまう。これにより、単騎でスプリントに挑んだエヴァーの14位がチーム最高位となった。高梨、床井も無事に完走を果たした。

 

決勝では3名という他チームよりも不利な人数の中で、エヴァーと高梨と共に展開を見極めて動き、床井が逃げに乗れた価値は大きい。

また、最後の高梨の単独走は地元の大きな声援に後押しされ優勝に近づいたものであった。最終的には悔しい結果となったが、今季初戦においてチームで連携して掴めたものも大きい。ここから各レースで修正と経験を重ね、引き続きチームで勝利を狙ってゆきたい。

 

本レースから、2024年公式レース活動がスタートしました。1年間を通して存在感ある走りと共に、結果を追い求めてチーム一丸となって走ってまいります。

今シーズンも応援よろしくお願い申し上げます!