RACE REPORT レースレポート

2025 第48回 チャレンジサイクルロードレース 参戦レポート

2025.04.06

レース概要

春の訪れを告げる伝統のレース「チャレンジサイクルロードレース」が、今年も伊豆修善寺の日本サイクルスポーツセンターで開催された。毎年この時期に、地元静岡県内で開催される開幕シーズンのメジャーレースであり、上位30名には、6月に同会場で行なわれる全日本選手権の出場権が付与される。チームとしては、地元レースでの上位リザルトと、一人でも多く全日本選手権の出場枠を獲得することを目標に臨み、エースの床井亮太がチーム発足以来初のメジャーレース優勝を遂げた。

 

【開催日】

2025年4月6日(日)
午前:U23男子(MU23)
午後:エリート男子(ME)

 

【開催地】

静岡県伊豆市
日本サイクルスポーツセンター5kmサーキット

 

【距離】

MU23 64km(5km×12周+4km)
ME  79km(5km×15周+4km)

 

【出場選手】

-MU23-
夏目 天斗

-ME-
床井 亮太
高梨 万里王
山口 瑛志
サルマ 寬大
渡瀬 義雄

 

【出走人数】

MU23 154人
ME 68人

4月の第1週、チャレンジサイクルロードレースは、毎年この時期に、国内屈指の難コース日本サイクルスポーツセンター(日本CSC)で繰り広げられる春のクラッシックレースである。このコースが難コースと言われる所以は、1周5kmのサーキットの中に平地がほとんど無く、2回のアップダウンを繰り返す単調なレイアウトである。毎周回繰り返される2-3分の登りインターバルが、回を追う毎にダメージとなり蓄積される。登りを得意とし、且つインタバールの回復力が高くなければ勝負ができない。

本レースは、U23世代と、23歳以上のエリートクラスに分かれて開催され、各カテゴリーの上位30名に同年の全日本選手権の参加資格が付与されるため、日本最高峰のチャンピオンシップを目指す選手にとっては参加意義の高いレースである。レバンテフジ静岡は、床井、高梨、山口の3名が既に全日本選手権出場権を持っているが、その他の選手にとっては30位以内でのゴールが最低条件となる。そのうえで、チーム一丸となり勝利を目指したい。

 

【MU23】

U23の男子で競われるこのクラスには、夏目天斗(なつめたかと)と、下部チーム LEVANTE HOPE 所属の森凰翔(もりおうが)の2名が参戦した。

今年の夏目は、苦手としていた登りを強化し、2-3分の登坂コースで進化が問われる一戦となる。森は、下部チーム所属のU23一年目ながら急成長している若手選手である。

雨脚が強くなりスタート地点の気温は12度前後と肌寒い、154名と多くの選手がスタートラインに並び、号砲と共に一斉に走り出す。本レースはローリングスタートとなるため、スター直後は集団の隊列を整えながら下ってゆく。

リアルスタートが切られると一気にレースペースが上がり、メイン集団の人数がどんどん絞られてゆく。人数が多い分、競技レベルの差も大きく、勝負できる選手だけが前々と位置を上げ、先頭付近では絶えずアタックが繰り返される。夏目は、一昨日まで体調不良で思うようなトレーニングができなかったため、レース序盤の立ち上がりが鍵であった。先週の宇都宮ロードレースでは、極寒の雨の中、低体温症でリタイアしており、その影響が懸念された。

1周目は集団内で良いポジションを確保していた夏目だが、2周目に大きく遅れてしまう。メカニカルトラブル(チェーン落ち)により集団から遅れてしまった夏目は、そのままDNFとなった。

下部チームの森は、メイン集団が50名程度に絞られた中盤以降は、安定して集団前方に位置取りレース展開を伺う。5周目にできた6名の勝ち逃げには乗れなかったが、終始冷静にレースを進め初のU23レースを11位でフィニッシュしている。今後の活躍にも期待したい。

 

【ME】

直前まで降っていた雨も上がり、若干のウェット状態ではあるがレースを行なううえでは上々のコンディションで開催されたMEクラス。
このレースにシーズン序盤の照準を合わせている床井をはじめ、高梨、山口、サルマ、渡瀬の5名で優勝を目指す。

先週のレースを膝痛で欠場した山口は、痛みは引いたが様子をみながらのスタートとなる。

レースは、序盤から抜け出しを図りたい選手によるアタックの猛襲でペースが安定しない。チームは後手にまわらないよう、各選手が交互にアタックに対応し我慢の時間を凌ぎ、チャンスがあれば積極的に逃げを打ってゆきたいところである。

中盤には集団の選手が30名程に絞られ、レバンテは床井、高梨、サルマの3名を残す。このコースを得意とする山口はメカニカルトラブルでレースを離脱、登りのレースを苦手とする渡瀬も集団から遅れ、2人ともにDNFとなった。

距離が79kmと短めではあるが、日本CSCはアップダウンが続くため体力の消耗が著しく、後半はサバイバルレースとなることが常である。この日も、長時間の逃げが決まらず終始アタックが繰り返された事から終盤にはメイン集団が15名にまで減っていた。

終盤に入っても、Bahrain victorious development team の寺田選手や、弱虫ペダルサイクリングチームの内田選手など、このコースで優勝経験のある強豪勢によるアタックは続き、レバンテの高梨、サルマも積極的に動くが決定的な抜け出しは決まらない。この日、とても調子が良かったと振り返る床井も、自ら集団前方でアタックに反応し終始アクティブなレースを展開した。

残り2周、秀峰亭と呼ばれるこのコースで最も勾配がきつい区間で高梨がアタック、これに反応した3名と共に集団を引き離し10km先のゴールを目指す。
抜け出した4名は集団に30秒ほどの差を保ち逃げるが、ここまで一人で立ち回ってきた寺田選手の猛追により集団が一気にペースアップ、ゴールまで残り500mで吸収された。

登りの集団スプリントとなったゴール勝負、ここまで自らも積極的に動いてきた床井が先頭で駆け上がり、チームにメジャーレース初勝利をもたらした。

今回はチーム全体が団結し、各選手がエース床井の勝利に貢献した。今期、チームは団結力が強く例年以上に高いモチベーションでレースに臨むことができている。次戦は、兵庫県播磨中央公園にて開催される西日本クラシックロードレース、2勝目を目指し邁進して参りますので引き続き応援お願いします。

床井選手コメント

前半からゴールするまでかなり前の方で展開し、ラスト踏めるか不安になりつつも先頭でゴールすることができました。今後の自信になるレースでした!